自分より判断や実行を任せられる人をどうマネジメントするか

マネジメントには色々な側面があると思うが、その中でも「人の成長をどう設計するか」という視点は、かなり重要だと感じている。

ただ、現場で実際に悩むのは、自分だけでなく、判断や実行を自走して回せる人とどう向き合うかという問題だったりする。

いわゆる「できる人」をどうマネジメントするか、という話だ。

まだ自分で判断や実行を回しきるのが難しい段階にある人に対してであれば、

  • どこまで教えるか
  • どのレベルの課題を与えるか

といった形で、ある程度“育てる前提”で関わることができる。

一方で、判断や実行を任せられる人に対して、同じやり方をすると、うまくいかないことが多い。

むしろ、余計な口出しをすることで、パフォーマンスを落としてしまうこともある。

このあたりで、一度考え方を切り替える必要があると思っている。

判断や実行を任せられる人に対しては、「成長させる対象」というよりも、
「どう活かすかを考える対象」になる。

自分の場合、最初からうまくできていたわけではない。

細かく管理しない方がいいだろうと思って、ほとんど関与しない状態から入っていた。

意図としては「任せる」つもりだったが、今振り返ると、単純に放置になっていた部分はあると思う。

結果として、

  • 方向がズレる
  • 優先順位が揃わない
  • 組織としての成果に繋がらない

といった状態になることがあった。

この経験から、関わり方を変えるようになった。

今は細かくコントロールするのではなく、「役割の認識を揃えること」を意識している。

例えば、

  • あなたは現場を回す
  • 自分は環境を整える

といった形で、どこまでが自分の役割で、どこからが相手の役割なのかを明確にする。

そうすると、お互いに余計な領域に踏み込まなくなり、結果として動きやすくなる。

このあたりの関わり方は、アドラー心理学でいう「横の関係」に近いと思う。

上下関係でコントロールするのではなく、あくまで対等な立場で協力するという考え方だ。

判断や実行を任せられる人に対して、無理に指示を出したり、やり方をコントロールしようとすると、どうしても関係が歪む。

むしろ必要なのは、役割を明確にした上で、それぞれの領域を尊重することだと思う。

これはアドラーでいう「課題の分離」とも繋がっている。

どこまでが自分の役割で、どこからが相手の役割なのかを明確にすることで、余計な介入を防ぐことができる。

実行するのは相手であり、その結果に責任を持つのも相手である以上、やり方に過剰に介入するべきではない。

一方で、自分が担うべき役割、例えば環境整備や前提条件の整理といった部分は、しっかりやる必要がある。

この線引きが曖昧だと、放任か過干渉かのどちらかに振れやすくなる。

マネジメントというのは一言で定義できるものではないが、少なくとも現場レベルでは、

  • 誰の課題か
  • どこまで関わるか
  • どの役割を担うか

を見極めながら、関係性を設計していくことが求められると思う。

特に、判断や実行を任せられる人に対しては、「育てる」という発想だけでなく、「どう活かすか」という視点を持てるかどうかが重要になる。

少なくとも自分にとっては、マネジメントとは「全員を同じやり方で扱うこと」ではなく、「相手に応じて関わり方と役割を変えること」だと感じている。

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