LINE WORKSの話

LINE WORKSを全社導入した話

昔のうちは、全社的なチャットツールなんてなかった。連絡手段といえば内線と営業の社用携帯くらい。Google Workspaceを一部導入した頃にGoogle Chatをちょっと使ったこともあるけど、営業や企画、事務の一部だけ。製造部や商品部は完全に蚊帳の外。

そして大きな問題だったのが個人LINE
「社内にまともなチャットがないから個人LINEでやりとりしよう」みたいな流れになってて、同僚やお客さんに自分のLINEを教えざるを得なかった。中には「個人LINE教えたくない」って人もいたし、ひどい時は発注が個人LINEに来るなんてこともあった。さすがにこれはまずい。


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LINE WORKS一択だった理由

Slack? Chatwork? Google Chatを全社に広げる?……いや、もうその頃にはLINEがあまりにも普及しすぎていた。
スマホが苦手な人でもLINEだけは使える、っていう状態だったから、選択肢はLINE WORKS一択だった。

最初はライトプランで月300円/人くらいだったと思う。今はスタンダードプラン450円/人。まあ月額はかかるけど「全員が同じ土俵に立てる」っていう安心感は大きかった。


良かったところ

やっぱり誰でも使えるっていうのが一番。ITが苦手な社員にも「業務用LINE」って言えばすぐ通じるし、操作を教える手間もほぼなかった。

それに仕入先やお客さんとも、こちらのLINE WORKSと向こうのLINEをつないでグループを作れるのは便利だった。メールより早く、電話より軽い距離感でやりとりできる。

全社導入の決め手になったのはコロナ禍。リモートワークが一部で導入されたり、休業が繰り返されたりした中で、全社的な連絡手段が必須になった


運用の工夫

チャットツールで一番大事なのは、結局ルールだと思う。
1:1のトークは自然と使うけど、グループは放っておくと無限に増える。「このテーマはこのグループで話す」みたいに整理して、定期的に見直さないとカオスになる。

それから時間外対応。
「いつでも送ってOK」という人もいれば「時間外はやめて」という人もいる。でも業務上どうしても時間外に連絡が必要になることはある。だからうちでは「通知オフは自分で設定してね」という運用にしている。送るのは禁止しないけど、受け取り方は各自の自由。


他の機能

LINE WORKSにもトーク以外の機能はいろいろあるけど、Google Workspaceと被る部分はあえて使っていない。
カレンダーはGoogle、メールもドライブもGoogle。

ただしアンケート機能や掲示板はちょっと使っている。親睦会の参加調査とか、全社員に残したいお知らせとか。
「せっかくだから掲示板を社内ポータルにできないか?」とも考えたけど……結論、無理だった。そこはWordPressに任せている。


学び

LINE WORKSを全社導入して思ったのは、ツール選定よりも運用設計が大事ってこと。
「個人LINEでやりとり」みたいなシャドーITを潰すために導入したけど、放っておいたらグループが乱立して別のカオスになる。結局ルールを整備して、運用を回していくしかない。

僕が思うDXの本質はここでも同じ。
「何を選ぶか」より「どう育てるか」。
LINE WORKSだって最初から正解じゃなくて、僕らがルールや工夫を積み重ねたから正解になったんだと思う。

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