Google信者がGoogle Workspaceを選んだ話
うちの会社で最初に使っていたのは、リコーのJobMagicっていうグループウェア。名前は強そうなんだけど、UIは昭和感満載で古臭いし、メーラーなんて拷問レベル。僕も総務部長も結局は個人Gmailに転送して使ってた。そりゃ「これ変える?」って話になるよね。
今なら「Google Workspace? Microsoft365? それともLark?」みたいな比較検討をしたはず。でも当時の僕はただのGoogle信者だったから、Gsuite(当時の名前)に即決した。理由は……好きだから。完全に趣味。
スタータープランの地獄
導入したのは営業部と役員・管理職くらい。選んだのはもちろん一番安いスタータープラン。
メールとカレンダーは快適。僕は個人でもGmailを使っていたから移行も楽勝だった。……でもストレージ30GBは全然足りない。結局NASを参照する羽目になって、リモートワークには全然向かなかった。
しかも企画部は「個人でGmailアカウント取って使えばいいじゃん」という謎運用。今思えばあり得ない。グループウェアの意味を殺してる。
迷走とNextcloud
クラウドストレージが必要だ!ってなって、ホームページ置いてるエックスサーバーにNextcloudを突っ込んでみたり、BoxやDropboxを検討したりもした。
……でもシームレスじゃない。ストレスしかない。
結局Google Workspaceをスタンダードプランにアップグレード。料金は2倍。かなり痛かったけど、容量は1人2TBに。しかも全体でシェアできるから26アカウントで52TB。数字を見ただけで安心感が違った。
そして念願の共有ドライブが解禁。スタータープラン時代は各自で擬似的に共有フォルダを作ってごまかしてたけど、やっぱり本物は圧倒的に便利だった。
スプレッドシートと魔改造
Google Workspaceの真骨頂はここから。
まず、JobMagicにあった日報機能がなくて困った。で、「Googleフォームで送信 → スプレッドシートで集計」で代用。これが最初の工夫。
次にExcelで管理していた表をスプレッドシートに移行。同時編集できるし、出先からも見られる。ちょっとしたことだけど働き方はかなり変わった。
そして僕が本気で作り込んだのが原価計算シート。
プルダウンで条件を選ぶだけで原価を自動計算。これを作るのに丸1週間かかったけど、営業が「なんとなくの見積り」で単価を出すことがなくなった。昔の紙の原価票を丸写しして間違う、なんてことも消えた。これは正直、自分でもDXっぽいなって思う。
学び
僕がGoogle Workspaceを選んだ理由は「Google信者だったから」。軽率といえば軽率。でも結果的に、それが会社の情報基盤を整えるきっかけになった。
経営って「完璧に比較検討して正解を選ぶ」ことよりも、選んだものを正解にしていく方が多い。グループウェア導入だって、原価計算シートだって、工夫を重ねて正解にしてきた。
これは失敗談じゃなくて、僕にとってのDXの物語。
軽い理由で始めたけど、正解にしたのは工夫の積み重ね。