企業型確定拠出年金を導入した話

中小企業の退職金制度って、どこも一度は悩むテーマだと思う。

うちもこれまで中退共をベースに運用してきたけど、見直すことにした。

理由はシンプルで、「このままだと将来の価値が弱い」と感じたから。

目次

中退共に感じていた違和感

中退共は制度としてはシンプルで使いやすい。

ただ、長期で見たときに一番気になったのがここ。

「インフレに対して弱い」

予定利回りがある程度決まっている以上、

・物価が上がる
・賃金も上がる
・でも退職金の実質価値は伸びにくい

このズレがどうしても出てくる。

特に、自分自身が前職時代から積み立てているiDeCoが2.5倍になっているのに対し、従業員の中退共がほとんど増えていないことにとんでもない機会損失ではないかと思った。

確定拠出年金を選んだ理由

そこで検討したのが確定拠出年金(企業型DC)。

拠出の方法や金額などは色々なのだが、最終的には拠出できるバッファとなるような部分を会社が用意して、従業員はその中から将来のために確定拠出年金に積んでも良いし、月々受け取っても良いしという感じにした。

マッチング拠出ではなく、会社名義で積み立てる方のやつね。

ここで重要なのは、

会社が負担する金額自体は中退共と本質的に変わらないという点。

むしろ改正で若干掛け金は増えたけどね。

・毎月の掛金は会社が出す
・業績によって柔軟に変えるようなものではない

なので、「会社の負担が軽くなる制度」ではない。

じゃあ何が違うのかというと、

「運用によって資産の伸び方が変わる」

ここ。

DCの本質的なメリット

確定拠出年金の強みは、

・長期運用が前提になる
・投資商品を選べる
・インフレに対して相対的に強い設計にできる

つまり、

「時間を味方につけて資産を増やせる可能性がある」

ということ。

もちろん元本保証ではないけど、

逆に言えば、運用次第で中退共より大きくなる可能性もある。

役員の退職金準備としての側面

もう一つの理由がこれ。

「役員の退職金準備にも使える」

これまでは、

・逓増定期などの法人保険
→ 解約返戻金で退職金原資を作る

みたいなスキームが一般的だった。

ただ、税制改正の流れでこの辺は使いにくくなってきている。

その中で、

・損金算入できる
・個人資産として積み上がる

というDCは、選択肢としてかなり現実的。

導入で一番大事だったこと

ただし、制度として一番重要なのはここ。

「従業員が理解しているかどうか」

これがないと、

・元本確保型だけ選ぶ
・放置する
・制度の意味がなくなる

こうなる。

なので、導入とセットで

・制度説明
・投資の基本
・商品選択の考え方

ここはしっかりやった。

正直、制度そのものよりもこっちの方が大事。

制度説明は引受保険会社がやってくれたけども、めちゃくちゃ形式的なので個別サポートは必須。

投資の基本については、確定拠出年金だけでなく金融知識向上を目的として、古巣の野村證券にお願いすると快く社内セミナーを開催してくれた。

商品選択の考え方はそこから皆さんご自身で選んでいただいて…
というものの、ほとんどオルカンもしくは米国株なんだろうけどね。

まとめ

確定拠出年金は、

「運用を通じて資産の性質を変える制度」

ここが本質。

中退共のような安定性とはトレードオフになるけど、

インフレ環境を考えると、選択肢としては十分ありだと思う。

確定拠出年金の商品の中にも元本確保商品はあるし。

おわりに

退職金制度って、見直しが後回しになりがちだけど、

長期で見るとかなり差が出る部分。

うちもまだ運用途中だけど、

同じように悩んでいる会社の参考になればと思う。

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