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楽天とAmazonの失敗集:モールなら売れると思っていた
目次
タイムライン
- 2019/09 楽天に出店
- 2022/03/23 楽天を解約申請
- Amazonは並行して出品。ただし体感として楽天以上に相性が悪かった
……やれば売れると思ってた。人が集まってるモールに並べれば勝手に回るはずと。
前提からズレていた:商流と商材
既存の商流を壊せない
うちの商材は、すでに問屋や小売が楽天・Amazonに出品していた。
メーカー直販の方が数字だけ見れば利益は出る。でも既存の商流は守る。ここを外すと全体が歪む。最初からハンデ戦だった。
和雑貨の購買行動
和雑貨は“その場でなんとなく買う”お土産性が強い。
検索して比較して買うより、体験とセットで手が伸びる。ECの土俵に連れ出すと転換が弱い。SKU(柄)が多いのに、売れない柄は当然出る。登録・撮影・在庫のコストと釣り合わなかった。
公式として値崩しできない
参考上代を自ら割れない。つまり価格競争から降りている。
価格で勝負できないECは、構造的に不利だ。写真や説明をどれだけ作り込んでも、土俵が合わなければ限界がある。
オペレーションが合っていなかった
会社はBtoB仕様
うちの仕組みはBtoB前提。
BtoCの小口配送・返品対応・カスタマーサポートを日常運用に組み込むには、体制を別ラインで設計し直す必要があった。片手間では回らない。
広告→売上→でも利益が消える
広告をかけると売れる。……けど広告費が利益を食う。
数字は動くのに、キャッシュは残らない。やればやるほど「売上のための作業」が増えて、本業(OEM/卸)の集中力が削がれる。
楽天とAmazonの違い(体感)
- 楽天:女性ユーザー比率が高く、雑貨・アパレルの“雰囲気買い”にまだ土俵が合う。それでも前提の不利は消えなかった。
- Amazon:最安・最速がサービスの本体。同じ商品なら安いところが優先表示されやすく、そこから買われるのが実態だった。値崩しできない公式直販は最初から土俵負け。和雑貨はここで完全に埋もれた。
少なくとも当時の運用体験では、Amazonは楽天以上に向いていなかった。
撤退の判断
「作り込み」で殴る前に、前提が噛み合っていないと認めた。
粘っても全体の効率を落とすだけだと判断し、2022/03/23に楽天を解約申請。Amazonも存在意義が薄く、事実上の撤退。
学び(失敗の核)
- 土俵を間違えると努力は燃費悪化に化ける
- 商流の信用は“直販の一撃利益”より重い
- 和雑貨のECはSKU・在庫・撮影コストに対し、転換が弱い
- 価格で戦えないECは、構造的に不利
- BtoB体制のままBtoCを抱き合わせると壊れる
もし今から誰かが同じことをやるなら
- Amazonで戦うなら:
商品企画からAmazon用に設計する(最安・最速・レビューが効く消耗/定番)。販路はAmazonに限定し、価格統制を徹底。つまり商材と戦略を土俵に合わせて作り直す。 - 楽天で戦うなら:
体験や世界観が伝わる商品写真・LP・同梱物まで含めて「買い物体験」を作る。とはいえ、既存商流と価格統制の整備が大前提。
……うちはそこまで商材を“モール仕様”に作り替える気はなかったし、やる理由も弱かった。だからやめた。それでいい。
結論
「モールなら売れる」は幻想。
土俵と商材の相性が悪いなら、参入しない方が全体のためになる。